こんちは
「知る、読む、使う!オープンソースライセンス」を読んだ備忘録・感想です。
書籍
オープンソースライセンスへの理解を深める点では現状(2023年9月現在)問題ないと思いますが,自分が購入した時点の発行は2013年8月21日v1.1.0版です。
tatsu-zine.com
達人出版会で購入した場合は,内容が更新されるたびに新しい版をダウンロード可能なようです。
筆者のホームページ
対象
プログラマなのに(OSS)ライセンスについて理解していないことが情けないと思い,読み始めました。
(GPLは面倒くさい,MITは便利とかの理解レベル)
プログラマも著作物を扱うため,著作権やライセンスについての理解が必要だと思っています。
IT企業に所属する人など,IT全般に関わる人はプログラマに限らずソフトウェアライセンスへの理解をおススメです。
メモ
OSSの成り立ちから解説されているので,気になったら自分で確認してね。
各章の合間に「幕開」として創作物語が記載されている。
オープンソースの分かりにくい点を分かりやすく解説している。
- 各章で解説される内容の事前準備になっている。
- 村のいざこざが良い...
著作権では「利用」と「使用」を区別する。
私的利用のための複製は許可されている。
www.bunka.go.jp
- 利用: 複製,貸与,展示など。
- 使用: 読む,聴く,見る,実行などの鑑賞行為を指す。
UNIX/ARPANETの存在
歴史を語る上で外せない存在だよね。
- 学術・研究機関で発展したため,成果の公表は当たり前だった。
- プロプライエタリソフトウェアの登場によるクローズドソース文化
UNIX/UNIX系/Linuxは説明できるように成りたい。
Unix系とLinuxの理解が怪しい...
LinuxのWikipediaが分かりやすい。
ベンダーロックイン
ベンダーの技術に依存すると移行コストが高くなり,離れられなくなる現象のこと。
OSSのメリット
ライセンスコストが低い傾向にある。
LibreOfficeとMicrosoft Officeを見れば分かるね。
ソースコードが公開されている。
- ベンダーロックインを回避できる。
- ソースコードが理解できれば修正・保守できる。
- 引継ぎも比較的に楽だと思う。
オープンソースの登場
ソフトウェアビジネスの始まりと共に...
ブルックスの法則
ソフトウェア開発の遅れを取り戻すための人員追加は効果が薄い。
- 人材育成やコミュニケーションのコストが高くなるよね。
- 効果のある作業分担が出来るとは限らない。
なんとなく分かる気がする。 - 作業分担が難しい処理とかあるよね。
独りよがりでない「1人でやった方が早い」。 - デバッグなどのマンパワーで解決できるものは良いけど。
「フリー」ソフトウェア
「Free」は「自由」と「無償」の2つの意味がある。
- 「自由」を指す。
- 「smoke free」的な感じ。
- 値段ではない。
- 企業は敬遠しがち。
- 「無償」と捉えられてしまう可能性がある。
- 再ブランディング
- 「オープンソース」ソフトウェア
- 誰でも自由に利用できる。
オープンソースライセンスには互換性がある。
ライセンスが異なるソースコードを結合し,バイナリを作成した場合に注意。
ライセンス感染
基本的にコピーレフトは遺伝する。
Open Source Initiative (OSI)
オープンソース促進を目標とする組織のこと。
- OSI基本参照モデルとは関係ない。
- ライセンスのレビューを行っている。
- 認可されるとOSI公認ライセンスを名乗れる。
箔がつくね。
フリーソフトウェア財団
フリーソフトウェア運動を行う非営利団体。
- Free Software Foundation, Inc.
各種ライセンスについてまとめてみる。
GNUが詳しい。
The MIT License
X Window Systemに適用された歴史からX11 Licenseとも。
- コピーレフト: なし
- OSI承認: あり
- GPLとの互換性: あり
- ライセンスの中ではかなり緩い部類。
- 採用: imgui, Visual Studio Codeなど
Apache License, Version 2.0
特許について記載があるライセンス。
BSD 4-Clause "Original" or "Old" License
四条項BSDライセンスのこと。
The 3-Clause BSD License
三条項BSDライセンスや修正BSDライセンスとも。
The 2-Clause BSD License
二条項BSDライセンスのこと。
GNU General Public License version 2
GNUプロジェクトのためのこの世に生まれたGPLの改訂版。
GNU General Public License version 3
特許条項が追加されたGPL2の改訂版。
GNU Lesser General Public License version 2.1
GPLよりコピーレフト関係が緩く(劣等)なったライセンス。
プログラムへのリンクが鍵。
GNU Lesser General Public License version 3.0
LGPL2.1の改訂版。
GNU Affero Lesser General Public License version 3.0
GPLのASPループホールを閉じるために設計されたライセンス。
WTFPL (https非対応だったのでwikipediaへのリンク)
ライセンスを考えるのが面倒な人用のライセンス。
日本語訳が面白すぎる。
感想
ソフトウェアのライセンスをよく知らずに今までプログラムを書いてきましたが,最低限の知識すら持っていなかったことを反省しました。
オープンソースなどの開発者達への敬意を忘れずに,これからは使用ライセンスをしっかり意識して開発に取り組んでいきたいと思います。
プログラムに対する意識が変わった一冊でした。
OSSとは直接関係ないけど,面白い記事を見つけたので紹介します。
www.gnu.org
www.gnu.org
GNUのサイトは暇つぶしにうってつけかもね